子どもの肌 角質層(かくしつそう)
2016/05/17
角質(かくしつ)とは、皮膚の最外層にあり表皮角化細胞が角化した扁平な角層細胞が重なった層で硬タンパク質の一種であるケラチンの別称です。
角質層は角層細胞が十数層も重なり体の部位によって厚さが異なる皮膚の鎧と言っても良いでしょうか?
角層を構成する角層細胞の間には、「細胞間脂質(さいぼうかんししつ)」という脂質があります。
角層をレンガ塀に例えるならば、角層細胞はレンガに、細胞間脂質はレンガ同士の間を埋めるセメントに例えることができます。
細胞間脂質は、角層細胞の間で、「セラミド」などからなる脂質の層と水分子の層が、交互に規則正しく何層も重なりあう「ラメラ構造」という層状構造を形成し、角層の働きを支えています。
角質層は、サランラップ一枚(0.02ミリ)の厚さしかありません。
体の中のものを外に出さず・体外のものを中に入れないという大変大切な働きをしてくれます。
ですから私たちは、体内の水分を失わずにすむのですがそれと同時に体内に溜まる熱を体外に放出するために私達は皮膚から水を蒸発させる機能も身につけています。
皮膚から水が蒸発する際に熱を吸収することを利用し体内の熱を調整してくれるのです。
角質層の不思議現象として「水を透過させる性質」も持っています。
外部からの異物を遮断しながら、体内の熱を放出し 更に水を透過させる働きをも持っているのです。
それを、角質層のうるおい機能と言っています。
NMF(天然の保湿成分)・角化外膜細胞・角質細胞間脂質、これらの保湿細胞が角質層の水分を守る重要な役割を果たしています。
子どもの肌は、発達段階なのでこれら保湿細胞は未熟ですので子どもほど保湿が必要なのです。
子ども時代にしっかりと保湿してあげないと保湿細胞が発達しきれず大人になっても敏感で乾燥しやすい肌になるのです。
その他、角質層上にある細菌やウイルス、カビ、花粉、PM2.5のような小さな異物がついても体内には入っていけませんので外部からの刺激やさまざまな物理的・化学的刺激から体を守ってくれています。
この角質層があるから、私たちは病原菌やウイルスや異物で溢れる環境の中で生きていられるのです。
子どもの頃の「肌育」はお子さんの一生涯においてとても重要ですね。